TOPICS

<< 映文連アワード2018 受賞作品上映会のお知らせ | main |
2019.01.27 Sunday

『ニジェール物語』を再び大きく記事にしていただきました

   

ユニ通信社発行のビデオ通信1月17日号(No.4246)で
『ニジェール物語』を大きく取り上げていただきました。

絵本や映像を作った経緯、今後の活動、
そして我々の思いなどを詳しく書いてもらっています。
ぜひご覧ください。

ユニ通信社さま、本当にありがとうございます。



アニメーション映画『ニジェール物語』
ニジェールでの体験を元に創作した7つの寓話を絵本と映像に
映文連アワード2018で文部科学大臣賞を受賞


 「映文連アワード2018」で文部科学大臣賞を受賞した『ニジェール物語』(制作:(株)チーム谷四)。西アフリカにある砂漠の国・ニジェール共和国の砂漠の真ん中で暮らした唯一の日本人女性・フクダヒデコ氏が、その体験を元に創作した寓話集『ニジェー ル物語』の絵本原画を使用して制作したアニメーション映画で、世界で一番隣の木と離れている木の話(テネレ)、砂漠の深いところに眠る大きな湖の女神の話(アルピエンヌ)など、世界中を旅する叔父さんが、おやすみ前の僕にしてくれる7つのお話で構成されている。「映文連アワード」では<イヌイマサノリ氏の原画は、色鮮やかで個性的な魅力にあふれ、絵本が動くことで世界観が大きく膨らんで美しく不思議なアニメーションとなっている。7つの寓話は時に難解な表現も含むが、幻想的で想像力を掻き立てる。作り手の物語への愛が感じられ、大人も子供も世代を越えて楽しめるイマジネーション豊かなアニメーションとなった>と高く評価された。同作品のディレクターをつとめた西岡眞博氏(フリー企画・演出/チーム谷四 代表/『ニジェール物語』製作委員会 理事)と原作者のフクダヒデコ氏(コモン・ニジェール代表理事)に聞いた。

サハラ砂漠の素晴らしさを知って欲しい
 同作品の原作は、コモン・ニジェール主宰のフクダヒデコ氏が書いた寓話集。フクダ氏は<私がサハラ砂漠に行ったのは今から40年以上前のこと。2年間住んでいて、「表面上は何もないけど、みんなが知らないだけ。こんなに面白いところなんだ」と思いました。その頃、アンカレッジ空港で向田邦子さんと偶然知り合い、サハラ砂漠のお話を手紙で送っていたら「これは面白いから残した方がいい」と勧められましたが、向田さんが飛行機事故で急逝され、そのまま25年ほどが過ぎてしまいました。10年前にコモン・ニジェールを立ち上げた時、ニジェールがこんなに素晴らしい砂漠を擁している国であることを知って欲しくて『ニジェール物語』を書きました。出てくることは全て事実ですが、私が創作したお話です。その前年に主人を亡くしたので、「自分もいつどうなるか」という思いにかられ、自分の子どもたちに残す「遺書」のつもりで書きました。絵本の『ニジェール物語』は茨城県教育委員会推薦図書の1冊に選ばれました。『ごんぎつね』などと肩を並べることができたようで、本好きの私としては感無量でした。今回、映文連アワード2018で文部科学大臣賞をいただけたことは本当に嬉しい。自分の心の内にあるものを反映させて書いたつもりですが、やはりわかる人にはわかっていただけた、発見していただけたという嬉しさがあります>と話す。

絵本と映像で世界の子どもたちに広めたい
 ディレクターをつとめた西岡氏は、二十数年前からフリーディレクターとしてテレビCMなどを手がけているが、クライアントの映像であるCMとは別に、10年ほど前から仲間を集めて自主製作映画を撮っている。そのユニット名が 「チーム谷四」で、2015年に法人化している。チーム名は、編集やMA、打ち合わせの拠点としていたスタジオ(旧メディアプラザ)が大阪市の谷町四丁目にあったためだという。 西岡氏は<2014年に『ニジェール物語』の小冊子を読んだ時、キラキラしたカラフルなサハラ砂漠の映像が頭の中に浮かび「これは面白い。是非、映像作品にしたい」と思いました>と振り返る。仲間を集めて「ニジェール物語製作委員会」を組織し、まずは絵本にした方が広がると考え、絵本の製作に着手した。「ニジェール物語の世界展」という展示会を開き、イラストレーター10人に「ニジェール物語」をイメージしたイラストを描いてもらい、その中からイヌイマサノリ氏にイラストを依頼し、2016年に絵本を完成させた。
 続く映像制作では、「コモン・ニジェール」が受けた助成金「Panasonic NPOサポートファンド for アフリカ」の一部が制作費として提供され、2017年に映像の『ニジェ ール物語』を完成させた。<絵本と映像で『ニジェール物語』を世界中の子ども達に広めたいという狙いがあったので、映文連アワード2018で文部科学大臣賞を受賞したことは、大きく背中を押してもらったようで非常に嬉しかったですね>と西岡氏。

想像力をかきたてる映像の“間”
 映像化にあたって西岡氏が悩んだことは「どこまで演出するか」。<原作や絵本の原画の世界観を崩さず、かといって絵本のままでは映像化する意味がありません。また、人々の想像力をかき立てつつ飽きさせない映像の“間”を作り出すのに苦労しました。尺は絵本を読んだ時とほぼ同等だろうと思われる20分前後にしました。>(西岡氏)
 また、映像化にあたってフクダ氏が要望したのは、「星空」のシーンを入れることだったという。<サハラ砂漠の真ん中で一番記憶に残っているのが「星空」です。月のない夜には“星明かり”で影ができるような星空。それが360度の地平線に広がります。音もなく、自分が生きていることも忘れてしまいそうな星空。そこでは何千年もそうだったし、恐らくこれからも変わらないのではないかと思います>(フクダ氏)
 制作期間は約半年間。イヌイ氏がケント紙に絵の具で描いた原画をアニメーションで動かすため、全てマスクを切って、背景を作らなければならない。西岡氏は<スタッフのみんなには色々と無理をお願いしているので自分でやりました>と笑う。アニメーションは編集の山本茄津己氏(editroom YAMAMOTO)が兼務、VFXはCGアーティストである上野あきのり氏(チドリグラフ)、サウンドデザインは犬丸正弘氏(ステップ)、音楽は西野公樹氏(ステップ)、原画スキャンは原田充規氏(プロスキャン)、題字は松井桂三氏が手がけた。ナレーションは神野恵子氏。
 映像版『ニジェール物語』の完成披露試写会は、茨城県守谷市のシネコンで行われた。フクダ氏は<やはり大きなスクリーンで観たいと思って予約しました。作品は絵本とはまた違った迫力があって、みなさんに喜んでいただけたと思います。シネコンの支配人も興奮して、すごく大きな反響をいただきました>。西岡氏は<そのシネコンで一番大きなスクリーンにかけてくれたんです。もちろん映画館でも上映できるクオリティに仕上げたつもりですが、制作過程では50インチ程度のモニターでしか観ることはできません。本当に大きく映し出した時にどう見えるのか心配でしたが、実にキレイでしたね>と話す。

子どもたちに想像力を
 『ニジェール物語』は、沖縄(1月26日)、札幌(2月16日)、大阪(2月1日)、で開催される「映文連アワード受賞作品上映会」で上映されるほか、1月20日に大阪の児童養護施設で開催する、親と暮らせない約50人の子どもたちに向けたイベントで上映される。ニジェールという国でフクダさんがどのような暮らしをして、何故『ニジェール物語』というお話が生まれたのか。そのお話を絵本や映像として完成させるには、どのような職業の人がどのような仕事をしたのか。また、あらかじめプレゼントしてある絵本『ニジェール物語』を読んだ感想などを子どもたちと話し合い、最後に映像版『ニジェール物語』を鑑賞するというイベントになる予定だ。<恵まれない子どもたちにも社会との接点を与えるきっかけになりたい。自分では如何ともしがたい状況に置かれた子供にも、他の子と(できるだけ)平等な機会を持って欲しい、切り捨てられないで欲しい。そして希望を持って世の中に出て行ってもらい、日本の力になってもらいたいという私たち(特に私)の気持ちがこもったイベントです。次につながるよう成功させたいし、できればこのイベントをパッケージ化して、他の場所でも実施したいと考えています>(西岡氏)
 さらに、3月には“里親制度の周知”を開催目的とした映画祭「はぐくみ映像コンペ」での上映、企業の社員研修での上映なども行われるほか、製作委員会ではより多くの子どもたちに観てもらうために小学校での上映なども検討していくという。 西岡氏は<「チーム谷四」および『ニジェール物語』製作委員会のスローガンは「子どもたちに想像力を」。小さい頃から想像力を育んでいくことで、世の中が良くなっていく一助になればと考えています。『ニジェール物語』を活動の核として、何とか今の動きを勢いに変えて前進したいと考えています。もう1つ。映像だけでなく、その時々の最新技術を盛り込んだ“ニジェール物語の世界”を疑似体験できる『ニジェール物語』のインスタレーションを作りたい。それを持って世界中を回ることが私の夢なんです>と語る。
 一方、フクダ氏は<ニジェールの子どもたちは、自分たちの国はどれだけ素晴らしいもの(サハラ砂漠)を持っているのかを知りません。ニジェールの公用語であるフランス語版の『ニジェール物語』をニジェールで上映し、子どもたちに見せてあげたいと思っています。また、今後もニジェールに関する創作活動を続けていきたい。1日に1ページ読んでいくことで、実際には行くことができないサハラ砂漠を旅していくような本が書ければいいなと思っています>と話している。
<ビデオ通信 1月17日号 第4246号より>
コメント
コメントする








 
PRIVACY POLICY